「バイオ」は生命、「フィリア」は愛情を意味します
ハーバード大学のウィルソン教授らは「人は生まれつき自然や動物、植物との結びつきを好む」
というバイオフィリア仮説を提唱しました。
テキサスA&M大学のウルリヒ教授は「サバンナ(草原)は人にストレス回復効果をもたらしたと」考えました。
その理由は、サバンナは木々が点在しており、見通しがききます。
しかも、森林よりも安全で水や食料に恵まれていたからです。
そして、「サバンナのような緑がある景観を好む傾向が現代人にも遺伝的に受け継がれている」と仮説しました。
この仮説は植物のストレス回復効果が誰にでも有効であることの根拠となっています。
人為的にストレスをかけて血圧をあげた人に車の往来の動画を見せても血圧は下がりません。
ですが、自然の風景の動画を見せると、3分で血圧は急激に下がり、しかもその効果は持続するという報告もあります。
人は植物を見ると「きれいだね」とか、「かわいいな」など、快い感情がわいて笑顔になります。
同じ植物を見た他の人にも、同じような感情が起こり、共感が生まれます。
これには他の人の行動・発言に対して自分の脳内でも同じような領域が反応して、
同じ気持ちを共有するミラーニューロンという仕組みが関係しています。